Episode 13

なぜか入り込んでいた「ルサンチマン」と、欠乏への向き合い方

2025-12-15 · 00:50:15
なぜか入り込んでいた「ルサンチマン」と、欠乏への向き合い方
ジングルで使った「ルサンチマン」なぜかモテる息子本棚に「サイコパス」関連本できているのになにかが足りない美大と日芸の微妙な違い父が塗った学習机「紺のライン」のかっこよさ手作りカヌーをお寺の池に浮かべて怒られる秘密基地の愛読書偉大な父へのコンプレックス3200倍に拡大してトレースする組織論と「ちゃんとやりたい欲」帰属意識の揺り戻し実家に帰ると親が食べ物を出しすぎる問題あえてテーマを絞ってみた結果

メタクリラジオのイントロには「感性と持論とルサンチマンを総動員して」という一節がある。第13回は、なぜそこにルサンチマンという言葉が「気づいたら入ってた」のかを、タムカイの個人史から掘り下げる回だった。明るく創造性を語る裏側に、満たされなさや「今に見てろよ」という気持ちがなかったかといえば、あった。この回が言い切るのは、欠乏や恨みに近い感情もまた人を創造へ駆り立てる力になるということ、そしてその力は飼いならせるということだった。

この回の核心

ルサンチマンには社会や他人の目に向くものと、自分の中の欠乏感に向くものがある。Opiがそう整理したうえでタムカイに尋ねると、返ってきたのは「特別なものがない感」だった。時間を守れないといった分かりやすい欠乏ではなく、プラスマイナスで言うと全部ゼロぐらいでプラスがないという欠乏。大里Pのお便り「できていることが欠乏につながるって考えたことがないよね」は、この逆説を一言で射抜いていた。「特別であらねばならない」という価値観と「いたって普通だな、自分」という自己評価のねじれが、そのままエネルギーになった。

話の流れ

具体は身近なところから始まる。モテる友達を前に「ビジュアルの良さでは勝てないが、何だったらいけるんだ」と考えたこと。留学してのちにラグビーのプロ選手になった弟宛てに「弟さんいますか」の電話がかかり、「いません」と答えていた話。Opiの側からは、学校でほとんど寝ているのにラブレターをもらう長男に「しゃくに触んな」と刺激されたルサンチマンが語られた。タムカイが「迷ったらやる」というプログラムを自分に課した結果、本棚にサイコパスの本が少しずつ増え、奥さんに疑われていたと分かった笑い話も出た。

Opiはタムカイの中に、ファイティングポーズを取る自分と、どうやったら受け入れられるだろうと考える自分の二人がいると指摘する。タムカイは「やっと飼いならせてきましたけど」と返した。その飼いならし方の実例が、富士通に入って「バグり散らかし」た新人時代、社内コンペを通る先輩のPSDデータを3200倍に拡大し、グレーの線もグラデーションの角度もパレットに移して完コピした話だった。Opiいわく「ちゃんと守破離をやってる」。後半は組織論とDEIBの帰属意識へ広がり、ノマド的な軽やかさから帰属へ揺れ戻る現在を、揺れ戻り続けているのに今いる側だけが正しくなりすぎている、と二人は眺めていた。

欠乏は、埋めなければならない穴ではなく、どこかへ向かうための燃料として持っていられる。

創造性の構造 27 でいえば

06. ルサンチマンと昇華 は、この回そのものにあたる。恨みや満たされなさを否定せず創造の側へ転換する道筋を、タムカイの個人史で実演している。

04. 欠落と渇望 は、「特別なものがない」という欠乏が転身の原動力になった点につながる。

25. 暗黙知の形式化 は、先輩のデータを3200倍に拡大して技を写し取った守破離の実践に対応する。

この記事は収録記録から起こした下書きです。二人の確認を経て更新されます。