ジングルもカバー画像もアウトロも、番組の形が実質1日か2日で立ち上がった。第2回は、その「つくる」の速さを二人で振り返るところから始まり、ライブ感とは何か、テクノロジーは制作の何を変えたのか、という問いへ進んでいく。見えてきたのは、テクノロジーが手戻りをなくして制作を速くしたこと、そして速くなっても残る楽しさの正体が、箱を少しだけ揃えて中身はその場に任せる姿勢にあるということだった。
この回の核心
タムカイが言う「ライブ感」は、話すうちに「即興感」へ言い換えられる。決め切らずに走り出し、その場で立ち上がるものを面白がる態度のことだった。Opiは「飲み屋トークでなんかやろうぜって言って形にならないのが98%ぐらい」と経験則を出し、だから「とっととガンガン作らないと形にならない」と続ける。速さは効率のためではなく、残りの2%に入るための条件として語られる。タムカイの言い方では「箱はなんかこう、ちょっとだけ揃えるんだけど、中身はもうライブ感で行きたいな」。その速さを支えたのがテクノロジーで、Opiの言葉では「ほぼ完パケに近い形まで持っていけちゃう」ので、少しずつ合意を取りながら進める必要がなくなった。
話の流れ
出発点は大里Pの「僕が、俺得なんで聞きたいです」の一言で、名前はタムカイの「メタクリラジオ」案にOpiがほぼノータイムで乗った。ジングルはOpiがCapCutの読み上げ機能で伊集院光のような声を見つけ、5種類ほどの声で読み上げさせて切り刻んで作ったもので、「楽しかったな、久々に」と振り返る。アウトロのポエムはタムカイが立ち飲み屋で友達と話しながらスマホで書き、ライブ開始が締め切りになった。ここからOpiが「ライブってなんやろう」と問いを立てる。Perfumeの東京ドームでは本人が豆粒に見え、観客はLEDを見ていて「ずっとビデオを見てるのとそんなに変わらない」のではないか。生身の身体性を条件にするなら人形浄瑠璃はどうなるのか。タムカイは「初体験をライブと呼ぶこともできる」と定義を広げる。終盤はフォントに飛び、Opiが「300周ぐらい回って最近MSPゴシックかっこいい」と言い、タムカイは創英角ポップ体も「世の中にゴミを撒こうと思って作ってはない」と作り手の側に立った。
創造性の構造 27 でいえば
11. プロトタイピング 合意を積み上げる前に完パケ近くまで作って見せることで、番組は1日2日で形になった。
12. 身体性と知能の拡張 CapCutの声が二人の声にない「アクセント」になり、ロボット浄瑠璃の思考実験は身体性の所在そのものを問い直す。
14. 文脈の再構成 嫌われ者だったMSPゴシックが、置かれる文脈を変えることでもう一度かっこよくなる。
「いつか面白いことやりたいですね」で終わらせないために、箱を少しだけ揃えて、あとは走りながらつくる。その速さの中に、久々の楽しさが戻ってくる。

